大判例

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大阪高等裁判所 事件番号不詳〔3〕 判決

主文

被告人堀田英一を懲役八月及び罰金千円に、

被告人大鷲一雄を懲役四月に、

被告人谷敏男、同河野弥一、同谷口太三郞、同桜井武雄を各懲役二月に処する。

但し、被告人大鷲一雄、同谷敏男、同河野弥一、谷口太三郞、同桜井武雄に対しこの裁判確定の日から各三年間右刑の執行を猶予する。

被告人堀田英一が右罰金を完納することができないときは金五十円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

理由

被告人堀田英一を除くその余の被告人等はいずれもユーエスオートサービス株式会社に自動車運転者として雇われ、貨物自動車運転の業務に従事していた者、

被告人堀田英一は同会社修理工として雇われていた者であるが、第一被告人堀田英一は、

一、昭和二十二年六月上旬から同年九月十日頃迄の間約二十回に互り、京都市中京区衆楽廻中町竹内満方で、同人が前記会社の貨物自動車運転者として保管している連合国占領軍の財産であるガソリン合計百二十ガロンを擅に拔取り処分するものである情を知りながらこれを代金一ガロン百八十円合計約二万千六百円で買受けて賍物を故買し、

二、同年六月上旬から同年八月下旬迄の間約十回に亘り、同市上京区淨福寺西入る東神明町二百九十七番地の被告人の居宅等で、前記会社の貨物自動車運転者田淵安太郞から同人等が業務上保管している連合国占領軍の財産であるガソリン約六十ガロンを擅に拔取り処分するものである情を知りながら前同様買受けて賍物を故買し、

第二 被告人谷敏男は同年八月下旬頃大津市錦織町で、業務上保管中の連合国占領軍の財産であるガソリン五ガロンを擅に樫田正一に売却して横領し、

第三 被告人河野弥一は同年八月中頃前同所で、前同様のガソリン五ガロンを擅に前同人に売却して横領し、

第四 被告人谷口太三郞は同年八月末頃大津市滋賀里水耕農園竹中組工事場で、前同様のガソリン五ガロンを擅に氏名不詳者に売却して横領し、

第五 被告人大鷲一雄は同年八月二日頃及び同月十日頃の二回に亘り同市錦織町で前同様のガソリン合計十ガロンを擅に樫田正一外一名に売却して横領し、

第六 被告人桜井武雄は同月十日頃前同所で、前同様のガソリン五ガロンを擅に八田德進に売却して横領し

たものであつて、被告人堀田英一の右賍物故買及び被告人大鷲一雄の窃盗の所為はそれぞれ犯意継続にかかるものである。

(証拠説明省略)

被告人堀田英一の判示所為は刑法第二百五十六条第二項(右条項所定の罰金は本件犯行後施行せられた罰金等臨時措置法第三条により変更せられたが、刑法第六条第十条により軽い改正前の金額に従うべきものとする)昭和二十二年法律第百二十四号附則改正前の刑法第五十五条に該当するから、所定刑期竝びに金額の範囲内で、同被告人を懲役八月及び罰金千円に処すべく被告人谷敏男、同河野弥一、同谷口太三郞、同大鷲一雄、同桜井武雄の判示所為は刑法第二百五十三条(なお被告人大鷲一雄は前記昭和二十二年法律第百二十四号附則第四項改正前の刑法第五十五条)に該当するから、所定刑期範囲内で被告人大鷲一雄を懲役四月に、被告人谷敏男、同河野弥一、同谷口太三郞、同桜井武雄を各懲役二月に処すべきところ、右業務上横領罪を以つて処断すべき被告人五名に対しては刑法第二十五条を適用し、この裁判確定の日から各三年間右刑の執行を猶予すべく、なお被告人堀田英一に対し同法第十八条を適用し、罰金を完納することができないときは金五十円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置すべきものとする。

よつて主文の通り判決する。(昭和二四年四月二七日大阪高等裁判所第二刑事部)

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